- KEY PERSON 08 -移住コラム

移住コラム08 そして偶然の重なりで生まれた芸術は北茨城を真のバルビゾンへと誘う

前回の「お試し創作体験」から3カ月、ついに「北茨城アートマーケット」を開催!

北茨城市では、創作活動を行っているアーティストが単に活動拠点として北茨城市に移住するのではなく、北茨城市に移住したことで北茨城市の環境や特徴を活かし、経済的に持続可能な創作活動を行えるアーティストの移住促進を目的に、アーティストの作品展示等を行うイベント「北茨城アートマーケット」を3月に開催しました。

【「北茨城アートマーケット」開催に向けた3カ月のミーティングを経て】
2023年12月に開催した「お試し創作体験」から「北茨城アートマーケット」開催までの約3カ月間、「北茨城【芸術によるまちづくり】アンバサダー」となった9人のイベント立ち上げメンバーとアートユニット「檻之汰鷲(おりのたわし)」の石渡のりおさんを中心とする北茨城市民は数回のオンラインミーティングを経て「北茨城アートマーケット」の骨子を固めました。

開催場所を当初予定していた「北茨城市漁業歴史資料館『よう・そろー』」近くの空き店舗内から「花園オートキャンプ場」へ移動したことで、全国から集まった多くの人たちとの交流を目的としたイベントから、今回の取組で繋がった市民と市外のアーティストとの親密な交流を目的としたイベントへと発展し、作品展示を中心としていたイベント内容はライブペイントや料理の振る舞いなど、より自由度の高い内容へと変化していきました。

市民と市外のアーティストがホストとゲストの枠を超えてフラットな関係で意見を出し合い、「今できる今やりたいイベントは何か?」ということを何度も何度も丁寧に議論した結果、とても素晴らしいイベントを開催することができました。

今回のコラムでは、その2024年3月に開催した「北茨城アートマーケット」の様子をお伝えしたいと思います。

【「北茨城アートマーケット」の開催】

「北茨城アートマーケット」のオープニングは、アンバサダーの1人がナレーションやMCの仕事をされているということで、アンバサダーと石渡のりおさんと北茨城市職員の3人によるクロストークで幕を開けました。

客席とステージの間に焚火を置いてキャンプ場の大自然の中で緩やかにイベントはスタートします。

オープニングのクロストークが始まると同時に会場近くのケビン内ではアンバサダーの版画作家が北茨城市をイメージして描いたオリジナルのイラストを使ったシルクスクリーン体験ワークショップも始まりました。

体験者は複数のイラストから好みのイラストを選び、キャンバス地のトートバッグに思い思いの色をのせてワークショップを体験していました。

一方外ではオープニングトークの隣に設置したもう一つの焚火の横でアンバサダーの絵画作家が子どもたちと一緒に自由に絵を描く取り組みをしています。

作家がテーマとしている「無意識と意識」を子供たちが真剣に体験していました。

今回の取組の1つに「アンバサダー全員が北茨城市に関するZINEを作って展示する」という取組があります。

ZINEとは解釈が色々ありますが、簡単に言うと自分の好きなことを描く小さな同人誌のようなモノで、アンバサダーがそれぞれに感じる北茨城市を描いたZINEを市民の方々に読んで頂きました。

そうこうしていると、今回の「北茨城アートマーケット」のメインイベントであるアンバサダー2人によるライブペイントと即興の踊りが始まります。

アーティストがキャンバスにペイントをしながら、ダンサーの踊りに合わせてダンサーにもペイントを施していく。どうなるのか分からないライブ感に会場にいる参加者は真剣な眼差しで見入ってしまうのでした。

メインのライブも終わり、日も暮れて少し寒くなるとアンバサダーの料理人が参加者にオリジナルレシピの料理を振る舞います。

アートと料理を探求している料理人は、現在の拠点である長野県の食材と北茨城市の食材を組み合わせた日本の郷土料理を今風にアレンジ。温まる料理に市内で作られる希少な濁酒の試飲もあって参加者同士の会話も弾みます。

料理人の料理の解説を聞きながら市民とアーティストが一緒になってご飯を食べる。参加者の子供たちも普段はあまり食べないスパイスの効いた「大人の味」に刺激を受けています。

最後は料理人のライブクッキングで「北茨城アートマーケット」は幕を閉じるのでした。

【「北茨城アートマーケット」の軌跡を展示】

北茨城アートマーケットの翌日は、アンバサダー全員で今回の軌跡を展示するために石渡のりおさんが古民家を改修し、地域の寄合所やアトリエ兼ギャラリーとして使われている楊枝方地区の「ARIGATEE」に集まりました。

ここで改めてお互いが作ったZINEを見せ合いアンバサダーのみんなは北茨城への思いを共有していきます。

既に展示されている幼稚園の子供たちが描いた絵と一緒に北茨城アートマーケットの軌跡を展示していきます。

園児の作品と北茨城アートマーケットで描かれた作品が調和していく。全く違う2つの軌跡が「ARIGATEE」で一つに重なる不思議な空間に仕上がりました。

ライブペイントの絵に使ったペンキや筆も併せて、アンバサダー全員で作ったZINEの展示も行っています。

それぞれ期間未定の展示ですが運が良ければ「ARIGATEE」にお越しの際は是非ご覧頂ければと思います。

以上で今年初めて開催した「北茨城アートマーケット」の報告を終わります。

最後に集合写真をご覧ください。

石渡さん(右端)以外は全員アンバサダーで市外のアーティストなのですが、何か一体感や地元感を感じませんか?

岡倉天心は北茨城を「東洋のバルビゾン」と称しました。それから約百年の時を経て「新たなバルビゾン」が誕生するかもしれません。

「もしも来年に北茨城アートマーケットをやるならどんな人たちが北茨城に来るのだろうか。」そんなことを考えながら思いは馳せるのでした。

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